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Leader’s Interview 岩本 浩久氏(株式会社 電通総研 代表取締役社長)


課題解決へと導く
“いままでにない総研”が誇る実装力

システムインテグレーターとして企業や自治体の活動を支援してきた電通国際情報サービス(ISID)は新たにコンサルティング、シンクタンクの機能を統合した電通総研として今年元日に生まれ変わった。社名変更の経緯や同社の強み、1月4日から展開した広告の狙い、今後の取り組みなどについて3月に代表取締役社長に就任した岩本浩久氏にお話をうかがった。
(取材:2024年5月12日 聞き手:CM総合研究所 代表・関根心太郎)
【 CM INDEX 2024年6月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
株式会社 電通総研 代表取締役社長
岩本浩久氏

1971年生まれ。埼玉県出身。1995年に上智大学理工学部を卒業し、株式会社 電通総研(旧:電通国際情報サービス)に入社。製造ソリューション事業部 事業部長補佐などを経て、2018年に執行役員、2019年に上席執行役員、2021年に常務執行役員、2023年に専務執行役員と要職を歴任。2024年3月に代表取締役社長に就任。
「いままでにない総研」篇2024年1月4日ウェブで公開
「私たちは見つめる」「人を」「社会を」「その行く先を」というナレーションに始まり、セリフと同じ文字が光で投影された電通総研の社員たちの顔を次々と映していく。「より良い社会への進化を実装する」「いままでにない総研」といった語りが続き、ラストは同社のロゴで締めくくった。

電通国際情報サービスから電通総研に
クロスイノベーターへと生まれ変わる

— 社名変更の経緯や狙い、貴社の強みについて
 1975年に設立された電通国際情報サービス(ISID)はシステムインテグレーションの事業をコアに成長してきましたが、社会や企業を取り巻く環境が変化する中で、我々は2030年のありたき姿を「社会、企業、生活者からの期待に応える存在」と定義し、売上高3000億を目指す長期経営ビジョン「Vision2030」を策定しました。
 この達成には従来のシステムインテグレーションにとどまらず、多彩なテクノロジー、多種のソリューションを持ったX Innovator(クロスイノベーター)として社会や企業の変革にさらに貢献できるようにならねばならない。こうした思いがあり、システムインテグレーターからクロスイノベーターへのリポジショニング、リブランディングの一環として「電通総研」へと社名を変更しました。
 システムインテグレーションの技術力、実装力はお客さまから高い評価をいただいてきましたが、お客さまからの「こういうものを作ってほしい」といった要件や相談がスタート地点でした。今後、我々はさらにその上流、社会や経営の課題を発見する段階からお客さまに寄り添い、変革を実現する真のパートナーになりたいと考えています。

コンサルティングの先にある
システムインテグレーションによる実現力

 我々は製造業におけるもの作り領域の基幹システムの構築に何十年にもわたって関わってきました。メガバンク、地域金融機関、ネット銀行といった金融機関でも高く評価されており、金融業務を深く理解した上でよりセキュアなシステムを開発してきた実績もあります。また企業の会計と人事のふたつの領域における自社開発のソフトウェアや、電通グループ各社との協業によるマーケティングDXソリューションという強みもあります。
 つまり企業のバリューチェーン全体を支援できるノウハウと実績があるということです。どんなに優れたコンサルティングであったとしても「何を実現してくれるのか」というのがお客さまの本音だと思うんですね。システムインテグレーションのさまざまな実績を背景とした実装力、実現力こそが電通総研の強みであり、それがあってコンサルティング、シンクタンクだと考えています。
— 元日の社名変更に合わせて広告を展開されました。広告に込めた思いなどについてお聞かせください
 ISIDの頃はどちらかというとお客さまの黒子役として課題解決を支援する立場でしたが、これからは我々も表舞台に出る気概を持って、企業や社会の変革に寄与したいという思いがあります。そのために認知度の向上が必要だと考え、YouTubeやTVerなどさまざまなウェブプラットフォームに広告を出稿したほか、新聞、東名阪の主要駅付近のサイネージや電車内モニターのOOHでも広告を展開しました。
 システムは電気、ガス、水道と同じインフラであり、企業の側面支援の役割が主だったため、これまでは認知度をあまり気にしていませんでしたが、今後は社会や企業の変革を実現する電通総研として生まれ変わったことをより広く知ってもらい、優れた人材をより多く獲得する必要があります。今回の広告は認知度の向上と合わせ、リクルーティングも大きな狙いのひとつでした。ある期間での新卒採用のエントリー数は前年同期比の約5倍となり、キャリア採用、特にコンサルティング領域の応募も非常に伸びています。認知度も高まり、私自身もお客さまから「広告を見ましたよ」とお声がけいただくなど、広告を含めた新しい認知施策に効果があったと実感しています。
 「いままでにない総研」「変わらなければならない」といったコピーには、お客さまの真のパートナーとして表舞台に立つ、つまり今まで以上に大きな責任を負うという覚悟も示しています。広告に出演しているのはすべて社員ですから、当社の強い思いが表現できたのではないでしょうか。

課題解決のための武器はすでにある、
組み合わせることで社会に貢献したい

— 今後の取り組みについて、展望をお聞かせください
 テクノロジー、業界、企業、地域などの枠を超えたX Innovation(クロスイノベーション)をさらに推し進めていきます。たとえば、自治体や行政のDX化やスマートシティーの領域においては、該当地域の金融機関や、各地の電通グループ各社とも連携しています。自治体が進める工場誘致などの産業育成においても、我々の製造業における業務知見やシステムインテグレーションの実績も生かせるはずです。社会動向、地域の課題発見にはコンサルティングやシンクタンクの機能が役立ちます。我々は組み合わせるソリューションやパートナーを幅広く備えています。
 我々はこれまでも「HUMANOLOGY for the future」をビジョンに、人間力とテクノロジーを掛け合わせて価値を創造してきました。この原点を大切にしながら、より良い社会に向けた貢献をしたいと考えております。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。