BRAND OF THE YEAR 2023・プレゼンテーション 株式会社トリドールホールディングス
株式会社トリドールホールディングスはアフターコロナに合わせて、持ち帰りメニュー『丸亀シェイクうどん』を発売。米米CLUBの『Shake Hip!』のリメイク楽曲をバックに原菜乃華らが楽しげに踊るCMで、カップ容器に入ったうどんを振って味わう新体験の商品の登場を訴求し、話題となった。同社の広告戦略について南雲克明氏にお話しいただいた。
(開催日:2023年12月19日)
(開催日:2023年12月19日)
【 CM INDEX 2024年1月号に掲載された記事をご紹介します。】
『BRAND OF THE YEAR 2023』についてはこちら
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株式会社トリドールホールディングス 執行役員 CMO 兼
KANDOコミュニケーション 本部長 兼
株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング 本部長
南雲克明氏
KANDOコミュニケーション 本部長 兼
株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング 本部長
南雲克明氏
KANDO(感動)で「選ばれる必然をつくる」「市場を創造する」
我々が意思決定において常に最重要としているのは「KANDO(感動)」であり、KANDO(感動)こそが我々がお客さまを創造する価値の源泉であると考えております。丸亀製麺のマーケティングや店舗の運営に携わる社員、店舗スタッフ一人ひとりがそうした思いのもと、日々働いています。意思決定の中で効率を優先するか、非効率であってもKANDO(感動)を追求するべきかという選択を迫られることが多々ありますが、我々はその都度原点に立ち戻り、お客さまの心を動かせるか、今までにない価値を届けられるかを考えています。
マーケティング戦略の基本は、KANDO(感動)を起点として「選ばれる必然をつくる」「市場を創造する」という2つです。そのために大切にしているのは左脳・理性に訴えかけることで購買行動を起こしやすい方々、右脳・直感へのアプローチが有効な方々とそれぞれに効果的なコミュニケーションを実行することです。「選ばれる“認識”」をつくるとともに、外食という低関与かつ価格帯の低いサービスならではの「選ばれる“衝動”」をいかに生み出すか。これらを組み合わせた広告を展開することが当社の業績の向上に寄与すると感じています。
私は良い広告を「数字が上がる広告」と定義し、なかでも発売前の話題の最大化に注力しております。これが外食のマーケティングの中では勝負の第一歩と捉え、インパクトや消費者から共感いただけるストーリー性といった「クリエイティブの質」と「フリークエンシー」を掛け合わせたコミュニケーションを意識しています。そのほか大切にしているポイントとしては「ブランドエクイティを伸ばすものか?」。短期的な効果や成果だけでなく、中長期の成長を見越して持続的に数字を上げるためにはブランドエクイティが浸透していくコミュニケーションを展開することが大切です。さらに「ベネフィットがシンプルで明確か?」という視点も重要ですね。そして「直感的においしそうか?」。理性を超えて“食べてみたい”と本能的に感じていただくことが当社の広告における生命線だと思っています。
我々トリドールグループのDNAとして、「感性」と「データサイエンス」を二律背反ではなく「KANDO(感動)」を軸に両立させる道を探求するというマーケティングの精神があります。コミュニケーションにおいてもどちらか一方を選択するのではなく、難しいですが“二律両立”できる真ん中の1点を見つけることを追求しています。
マーケティング戦略の基本は、KANDO(感動)を起点として「選ばれる必然をつくる」「市場を創造する」という2つです。そのために大切にしているのは左脳・理性に訴えかけることで購買行動を起こしやすい方々、右脳・直感へのアプローチが有効な方々とそれぞれに効果的なコミュニケーションを実行することです。「選ばれる“認識”」をつくるとともに、外食という低関与かつ価格帯の低いサービスならではの「選ばれる“衝動”」をいかに生み出すか。これらを組み合わせた広告を展開することが当社の業績の向上に寄与すると感じています。
私は良い広告を「数字が上がる広告」と定義し、なかでも発売前の話題の最大化に注力しております。これが外食のマーケティングの中では勝負の第一歩と捉え、インパクトや消費者から共感いただけるストーリー性といった「クリエイティブの質」と「フリークエンシー」を掛け合わせたコミュニケーションを意識しています。そのほか大切にしているポイントとしては「ブランドエクイティを伸ばすものか?」。短期的な効果や成果だけでなく、中長期の成長を見越して持続的に数字を上げるためにはブランドエクイティが浸透していくコミュニケーションを展開することが大切です。さらに「ベネフィットがシンプルで明確か?」という視点も重要ですね。そして「直感的においしそうか?」。理性を超えて“食べてみたい”と本能的に感じていただくことが当社の広告における生命線だと思っています。
我々トリドールグループのDNAとして、「感性」と「データサイエンス」を二律背反ではなく「KANDO(感動)」を軸に両立させる道を探求するというマーケティングの精神があります。コミュニケーションにおいてもどちらか一方を選択するのではなく、難しいですが“二律両立”できる真ん中の1点を見つけることを追求しています。
楽しさやワクワク感といった外食の体験価値を伝えるCMに
2023年、消費者の皆さまから非常に多くのご支持をいただきました『丸亀シェイクうどん』は、「うどんがおどると、ココロがおどる。」というコピーのもと、新型コロナウイルスが5類へ移行するタイミングでデビューさせた商品です。我々はコロナ禍の3年間、非常に制約の多い環境下で外食の価値をいかに伝えられるかを試行錯誤してまいりました。ですが今こそ3年間失われていたものを取り戻そうと考え、やはり外食は楽しいものであり、これからもより“ココロおどる”ものにしていきたいという思いを込めて、“振り切った”商品とコミュニケーションを展開させていただきました。新たな体験価値、言い換えますと“楽しさ”や“ワクワク感”で、これまでにない市場、そして顧客を創造したい。そこで先ほどの“二律両立”に当てはめ、もちもちの“丸亀食感”や一軒一軒すべての店舗で粉からうどんをつくっているといった従来のブランド価値と新しい体験価値の両立を目指しました。
テレビCMは新しさ、楽しさ、ワクワク感を伝えるキャストとしてフレッシュで若年層に人気がある原菜乃華さんを起用し、楽曲は米米CLUBさんの『Shake Hip!』をマナ・カナさんにカバーしていただきました。TikTokを中心にダンス動画も展開するなど、懐かしさと新しさを融合したプロモーションになったのではないでしょうか。特に若年層の女性から好評をいただくことができ、クリエイティブチームの皆さまには心から感謝しております。
テレビCMは新しさ、楽しさ、ワクワク感を伝えるキャストとしてフレッシュで若年層に人気がある原菜乃華さんを起用し、楽曲は米米CLUBさんの『Shake Hip!』をマナ・カナさんにカバーしていただきました。TikTokを中心にダンス動画も展開するなど、懐かしさと新しさを融合したプロモーションになったのではないでしょうか。特に若年層の女性から好評をいただくことができ、クリエイティブチームの皆さまには心から感謝しております。
CMに加えお客さまと触れ合うリアルな接点を通して自分事化
リソースの配分上、テレビCMを最重要とした一方で、お客さまとのリアルな接点を増やし、外食の楽しさを実感していく場を設けることにも注力しました。メディア発表会をはじめ、SHIBUYA109前や大阪・梅田での計1万食のサンプリング、限定店舗での「感謝デー」や六本木ヒルズ・大屋根プラザで開催した「サマーナイト」などでお客さまに新しい価値を体験いただきました。そのほかSNS上では41日連続で“How to シェイクうどんダンス”動画投稿キャンペーンなどのイベントを実施し、丸亀製麺において過去最高の露出を行いました。その結果、話題化や自分事化を狙った展開が奏功し、多くの反響を頂戴しました。また発売から半年で約500万食を突破するなど丸亀シェイクうどんが業績に大きく貢献し、2023年上期の売り上げ・事業利益は過去最高を記録しています。来年もさらに多くの消費者にご支持いただけるよう取り組んでまいりたいと思います。
CMデータ(商品別) 2023年11月度〜2023年10月度・集計
CM展開月数:11カ月/オンエア作品数:16作品/放送回数:3885回/CM好感度:327.3P‰
関連データ
2023年度のテレビCMについてまとめたレポートをご用意しております。