広告主インタビュー レバレジーズ株式会社
IT人材の支援を通して日本の成長を支えていく
急速に進むデジタル化に伴い人材不足が続くIT業界。獲得競争が激化する中、レバレジーズが展開するIT専門求人サービスの『レバテック』は、賀来賢人と八木莉可子を起用したCMが好調だ。同社の広告戦略や今後の展望をブランド責任者の鈴木里佳氏にお聞きした。
(取材:2023年9月21日)
(取材:2023年9月21日)
【 CM INDEX 2023年10月号に掲載された記事をご紹介します。】
インタビュイー
鈴木里佳氏
レバレジーズ株式会社
マーケティング部
エンジニア転職領域マーケティング責任者 兼 レバテック ブランド責任者
レバレジーズ株式会社
マーケティング部
エンジニア転職領域マーケティング責任者 兼 レバテック ブランド責任者
代表的なCM
レバテック「ぷろぐらみんぐ」篇(2023年9月1日オンエア開始)
ITエンジニア役の賀来賢人が夜中に会社で仕事をしていると、宇宙人役の八木莉可子が現れ「会社でもカタカタ遊んでるのか?」と尋ねる。プログラミングだと答えるも要領を得ない八木に賀来が「でも今よりもっと多くの人が使うサービス作りたくてさ」と夢を語る。すると八木が「かっこよ」と目を輝かせ、戸惑う賀来と「人生に、まだ見ぬ選択肢を。」のコピーで締めくくった。
ITエンジニア役の賀来賢人が夜中に会社で仕事をしていると、宇宙人役の八木莉可子が現れ「会社でもカタカタ遊んでるのか?」と尋ねる。プログラミングだと答えるも要領を得ない八木に賀来が「でも今よりもっと多くの人が使うサービス作りたくてさ」と夢を語る。すると八木が「かっこよ」と目を輝かせ、戸惑う賀来と「人生に、まだ見ぬ選択肢を。」のコピーで締めくくった。
ITの力で社会を変えるために第一想起されるブランドを目指す
— レバテックの強みをお聞かせください
『レバテック』は、技術トレンドや業界に精通したアドバイザーが在籍し、新卒・中途採用から派遣や契約、フリーランスまで、幅広い契約形態でITエンジニアのキャリアのご支援ができる点が強みです。現在までに累計50万人にご利用いただいています。そのほか大学生、大学院生向けのプログラミングスクール『レバテックカレッジ』や、新卒ITエンジニアの就活支援『レバテックルーキー』など、IT業界で働く方々の仕事探しやキャリアアップの選択肢を網羅するサービスを展開しています。
— 認知拡大に向けた貴社の広告戦略について
2021年まではコンバージョン獲得に特化したデジタル広告を中心に出稿していましたが、デジタルだけでは広い認知を獲得することが難しく、CPA(顧客獲得単価)が上がっている状況でした。そこで、認知獲得をしていくことで長期的な効率を上げていくことが必要だと考えました。大きく社会を変えるためには業界トップにならなければと考えていましたので、まずは「仕事探し」や「キャリアへの悩み」を思い浮かべたときに第一想起されるブランドになろうと目標を立てました。そうした考えのもと、広範囲へのアプローチが可能で効率が最も良い広告メディアとしてテレビCMに挑戦しました。
その年の11月に当社サービスを採用側、求職者側にそれぞれアプローチする2篇を放送したのですが、思うような効果が得られませんでした。そこでサービス名の知名拡大に振り切ろうと決断し、中森明菜さんのヒット曲『DESIREー情熱ー』に乗せてサービス名を連呼するCMを展開し、認知度を伸ばすことができました。
当時の認知度は、すでにかなり上がってきていたので、ここからはどれだけ良いクリエイティブにできるか、クリエイター選びがキーになると考えており、電通の眞鍋亮平さんにお願いしました。眞鍋さんは感性の素晴らしさだけでなく何ごとも理論的に示してくださるので、数字を重視する当社との相性の良さも感じられました。こうして制作したのが賀来賢人さんを起用したCM(2023年1月放送開始)で、転職に悩むエンジニアを演じる賀来さんの葛藤を脳の中の司令官とのコミカルなやり取りで描き、サービス理解の促進に加えてベネフィットが伝わる表現を目指しました。
その年の11月に当社サービスを採用側、求職者側にそれぞれアプローチする2篇を放送したのですが、思うような効果が得られませんでした。そこでサービス名の知名拡大に振り切ろうと決断し、中森明菜さんのヒット曲『DESIREー情熱ー』に乗せてサービス名を連呼するCMを展開し、認知度を伸ばすことができました。
当時の認知度は、すでにかなり上がってきていたので、ここからはどれだけ良いクリエイティブにできるか、クリエイター選びがキーになると考えており、電通の眞鍋亮平さんにお願いしました。眞鍋さんは感性の素晴らしさだけでなく何ごとも理論的に示してくださるので、数字を重視する当社との相性の良さも感じられました。こうして制作したのが賀来賢人さんを起用したCM(2023年1月放送開始)で、転職に悩むエンジニアを演じる賀来さんの葛藤を脳の中の司令官とのコミカルなやり取りで描き、サービス理解の促進に加えてベネフィットが伝わる表現を目指しました。
— 新シリーズの制作意図をお教えください
賀来さんを起用したCMの放送後に認知度はさらに10%pt以上上がり、クリエイティブの質が広告効果に現れることをあらためて実感しました。ですが、ある一定の認知度を超えると一般的に伸び率が鈍化するといわれています。これまで通りでは私たちが目指す目標に到達することができないため、転職に関心のない方にも興味を持っていただけるようなインパクトが必要でした。制作に際して各プロセスの担当者さんには業界1位が見えてきたこともあり、メジャーなサービスだと感覚的に印象づけたいとお伝えしました。
クリエイターへの信頼がコミュニケーションの質を高める
いくつか企画案をいただく中で、最後に出てきたのが賀来さんと宇宙人のやり取りを描く今回のCMでした。それまでは私たちが提示した制約の枠内でクリエイターさんにアイデアを考えていただいていたのですが、「これだ!」と思えるものに出会えていませんでした。そこで「全力でバットを振ってほしい」とお伝えしました。宇宙人という設定には驚きましたが、まさに私たちが求めている企画だと手応えを感じましたね。宇宙人役はかわいらしさを重視したい一方であざとくなりかねない懸念があり、かなり迷いました。最後は眞鍋さんの言葉を信じて八木莉可子さんに出演をお願いしましたが、正解だったと考えています。彼女の演技力の高さやクールな佇まいが、核心を突いた問いかけをより印象的にしていると思います。また、これまでのようにサービスの価値をアピールするのではなく、ユーザーの心の動きを通してキャリアをサポートする存在であると伝えた点も、共感や好感につながったのではないでしょうか。
— 今後の展望についてお聞かせください
賀来さんが多くの人に使ってもらえるサービスを手掛けたいと夢を語る新CMは、ITエンジニアという仕事そのものが社会に貢献する素晴らしいものだと感じていただきたいという思いで制作しました。今後もエンジニアの方々の可能性を広げるきっかけになるようなコミュニケーションができたらいいですね。IT人材の最適化は日本全体の成長や社会課題の解決につながる重要なミッションです。採用側にとっては競争が激化する中での優秀な人材の獲得、働く側にとっては長期的なキャリアの形成と、それぞれに最適な支援が必要だと感じています。レバテックであればIT業界の力を最大化できると信じていますので、より多くの方に利用いただけるようブランドへの好意度を生み出す広告作りに挑戦してまいります。
写真:髙野宏治
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。