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Leader's Interview 泉敏夫氏(株式会社 三共消毒)


環境衛生のプロとして創業100年へ
「快適環境の創造」という使命を果たす

1925年(大正14年)の創業以来、衛生害虫の駆除、防除管理を中心に行う株式会社三共消毒は、「2年後の創業100年へ」をコピーとした新CMを2022年末に開始した。創業時から大切にしているというプロモーション活動の狙いやCMのクリエイティブなどについて、代表取締役会長 兼 社長の泉敏夫氏にお話をうかがった。
(取材:2023年1月12日)
【 CM INDEX 2023年2月号に掲載された記事をご紹介します。】

インタビュイー
泉敏夫氏
株式会社 三共消毒
代表取締役会長 兼 社長
1982年、株式会社三共消毒に入社。以後、横須賀営業所、大宮営業所の所長を歴任し、東営業部 部長、取締役 中央営業部長、常務取締役 営業本部長を経て、2001年に代表取締役 社長に就任。2014年からは公益社団法人東京都ペストコントロール協会の副会長を務め、現在に至る。
「未来」篇(2022年12月31日オンエア開始)
地球や自由の女神の映像に始まり、「未来を見据え、98年間環境衛生を見守り続けてきました」というナレーションとともにヘリコプターの操縦士が安全確認を行い、街全体を見守るように上空を飛行する様子が映される。そして研究員や作業員、営業スタッフが真摯に業務を行う姿に「この先も私たちはプロとしての責任を果たし続けます」という語りを重ね、「2年後の創業100年へ」のメッセージで締めくくった。

PCO業界のパイオニアとして
社会情勢や新技術に柔軟に対応

 ネズミやゴキブリなどの衛生害虫を生活を害さないレベルまでに制御するPCO(ペストコントロールオペレーター)業務やシロアリの駆除、防除を軸に、人々の健康的で文化的な生活に寄与することを使命としています。もともとは行政が担っていた分野ですが、都市化によってプロフェッショナルとして対応できる民間に業務が移り、当社も1925年(大正14年)に創業しました。その後徐々に規模を拡大し、国内外で事業を展開してまいりました。
 以前は害虫やシロアリを駆除する際、非常に強力な薬剤を床下など人々が暮らす場所のすぐ近くにまいていました。そのため病院での散布はもちろん、一般のご家庭に住むお年寄りや子どもの健康への影響が問題視されており、当社は業界ではじめて「セフクリーンシステム」という管理システムを1989年に導入しました。これはゴキブリの習性に合わせてトラップを設置し、定期点検、駆除施工、効果判定という一連の管理によって、必要最低限の薬剤の使用で高い安全性を確保するものです。さらに従来は人のいない夜間に作業を行う必要がありましたが、日中での作業が可能となったことで間接経費の削減、業務の効率化を実現できました。また、これまでのCMで強くアピールしてきた「エコベイトシステム」は「専用容器内に設置した毒餌剤をシロアリが巣に運び駆除する」という、従来のような薬剤散布をしない、人にも環境にも優しい画期的なシステムです。このように社会情勢の変化を見極め、進歩を続ける科学技術を先取りしながらPCO業界のパイオニアとしてさまざまな機器や管理システム、サービスを確立してまいりました。
 また30年ほど前から主要な飲食チェーン店さまにご契約いただいており、現在も数多くの店舗の施工、管理を担当しております。チェーン店は複数の店舗を近隣で営業していることも多いため、作業時には移動の無駄が省け、効率よく生産性を上げることができています。

創業時からプロモーション活動に注力
認知向上とサービス想起を図る

— 貴社にとってCMの役割とはどのようなものでしょうか
 私が社長に就任した2000年頃からラジオやテレビでのCM展開に注力しました。とはいえ、当社は創業時からプロモーション活動に積極的で、戦後の高度成長期には当時としてもそれなりの予算を投じてCMを展開していたと聞いています。長期的な宣伝活動と約100年の歴史で蓄積された実績や信頼から、ありがたいことに私のような年代の方には広く当社を認知いただいていますが、一方で若い方には三共消毒でシロアリ防除が行えることを想起いただきにくいのが現状です。シロアリが発生しやすい春先に毎年CMをオンエアすることで、一軒家を建てた際など必要なときに当社を思い出していただけるよう、継続は力なりという気持ちで今後もCMをオンエアしていきたいと考えています。
 CMの狙いとしてはリクルーティングへの効果も期待しています。経験者採用を中心に実施してきましたが社員の平均年齢も上がり、新卒から育てていくべきだろうと数年前にかじを切りました。就職活動中の学生さんだけでなくご両親がCMをご覧になっていれば、お子さんから就職先として当社の名前を聞いた際に「テレビでCMを見たことがある」と安心できますよね。またCMを通して社内のモチベーションも上昇していると感じています。
— 2022年末開始の新CMをはじめ、貴社CMのクリエイティブについてお聞かせください
 CMの構成内容はほぼ私の発案によるものですが、昨年末にスタートした新CMでも描いたヘリコプターは人々の生活を見守るという当社の姿勢を表現したもので、以前からCMに登場させています。さらに2009年から展開していたCMでは、朝のニュース番組など忙しい時間帯にCMがオンエアされることを考慮し、ヘリコプターのプロペラ音を冒頭に流すことで、身支度の間など画面をしっかり見ていなくても音をきっかけにテレビを振り向いていただけることを狙いました。
 新CMでは最後までナレーションに悩みましたね。収録の場に立ち会ったのですが、監督がOKを出して録り終わった後、CMをより良いものにできないかとナレーターの方に「1回、自分なりに言ってみてほしい」と提案したんです。結果として自然な雰囲気のナレーションに仕上がり、リテイクをお願いして良かったと思いました。

健康的で文化的な生活のために尽力
今後も高層ビルの害虫防除を

— 創業100周年に向けた今後の展開は
 これまでも会社の節目には全社員を集めて記念式典を開催しており、情勢次第ではありますがお世話になっている全国の協力会社(北海道から九州の30社)の方々とともに記念すべき100周年を祝えればと願っています。
 またすでに関わらせていただいている施設もありますが、今後もより多くの高層ビルで害虫防除をお手伝いさせていただくことで一層の快適環境の創造を目指していきたいと考えています。特に高層ビルは建設前から建設会社の方々とタッグを組み、害虫の習性をもとに設計を行う必要があります。これからもPCOのプロフェッショナルとして皆さまと協力しながら、人々が健康的で文化的な生活を送ることができるよう尽力してまいります。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。