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Creator Interview 福里真一氏×伊藤直樹氏×山田百音氏(後編)


2022年上半期 CM好感度ランキングに見る
「ウヒョー!」となる広告の魅力

YouTubeのトークチャンネル『広告ウヒョー!』で魅力的な広告を紹介している福里真一氏、伊藤直樹氏、山田百音氏。チャンネル開設の経緯をはじめ、2022年上半期のCM好感度ランキングからヒットCMの傾向などについて語っていただいた。
(収録:2022年7月13日)

『広告ウヒョー!』はこちら(YouTubeに移動します)
【 CM INDEX 2022年8月号に掲載された記事を2回に分けてご紹介します。(後編)】

福里 真一氏
株式会社 ワンスカイ
クリエイティブディレクター
CMプランナー/コピーライター

1968年鎌倉生まれ。一橋大学卒業。これまでに2000本以上のCMを企画・制作。最近の主な仕事にサントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」、マクドナルド「夜マック店長」、湖池屋『スコーン』、東洋水産『マルちゃんZUBAAAN!』、ユニクロ「LifeとWear」、メルカリ「メゾンメルカリ」など。

山田 百音氏
株式会社サイバーエージェント
広告営業マネージャー


1993年東京生まれ。横浜国立大学卒業。2016年サイバーエージェントに新卒入社し、デジタルを中心とした広告の営業マネージャーを担当。ファッション・化粧品・消費財などのグローバルメーカーのブランディング広告に従事する。とあるきっかけで「広告ウヒョー!」に参画。

伊藤 直樹氏
株式会社パーティー
チーフ クリエイティブ オフィサー
ファウンダー

1971年静岡県生まれ。早稲田大学卒業。W+K Tokyoを経て、ナラティブとテクノロジーの力で未来の体験をつくるクリエイティブ集団「PARTY」代表。WIRED日本版クリエイティブディレクター、神山まるごと高専カリキュラムディレクター、京都芸術大学教授も務める。

— CMに限らず印象に残った広告について
山田:4月10日の日本経済新聞に掲載されたテレビ東京さんの“お詫び”風の広告です。「全国放送っぽくふるまっていた件に関してのお詫び」のタイトルと新聞広告らしからぬ文体が、テレビ東京さんらしさを伝えていて、新聞の読者をターゲットにするのではなくTwitterに拡散されるまでの一連の設計が素晴らしいと思いました。
 もうひとつはTCC賞の特集の際に“広告ウヒョー!が選ぶTCCグランプリ”として紹介した眞露の『チャミスル』のウェブ動画です。“韓国ドラマあるある”を随所にちりばめたラブストーリーで、本物のドラマを上回るかのような出来映えなんです。小関裕太さんが佐久間由衣さんの涙を親指でそっと拭うシーンでは「親指ワイパー」というフレーズが使われるなど、コピーのセンスも抜群で、CMということを忘れて何度も見たくなる作品です。
福里:私が印象に残ったのは芦田愛菜さんが「また運悪く」と言ったのを木村拓哉さんが「タウンワーク」と聞き間違える『タウンワーク』のCMです。ふたりの関係性の描き方や聞き間違いというギミックも面白いのですが、その後の「木村、混乱してます!」というひと言が普通では思いつかないと、まさに「ウヒョー!」ときました。個人的には今年上半期の「名セリフナンバーワン」を捧げたいと思います。本作の企画を手掛けている村田俊平さん(電通)が担当している『airワーク 採用管理』のCMも好きですね。松本人志さんと山田孝之さんという尖ったキャストを起用したにもかかわらず、妙に優しいふたりの世界が描かれている。これも「平和だなー」と感じられた広告のひとつですね。
伊藤:僕は今“ツイ体験”という言葉を流行らせたいと思っているんです。渋谷センター街のビルボードに掲出されたマッチングアプリの『Tinder』とNetflixの恋愛リアリティー番組『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』のコラボ広告がTwitterで話題になったときに、コロナ禍で街に人が集まらない中で、本来その場でしか見られないはずの屋外広告を多くの人がTwitterを通して見るという体験が非常に今っぽいと思いました。顔を見ずに恋人や結婚相手を探すという共通点を持った両者がお互いを挑発し合う構図で、ポーズとしてのケンカだと分かった上で見ても面白いという状況を作り出している。僕自身も渋谷でリアルな看板を見たわけではなくTwitter上でいろいろな人のコメントとともに広告を見るという“ツイ体験”をして非常に興味深い現象だと思いました。広告ウヒョー!でも徹底解説していますので、ぜひご覧ください。
— 今後の展望について
伊藤:テレビCMは福里さん、デジタルについては山田さんがプロフェッショナルなので、私はビルボードや一風変わった広告手法、海外の動向を紹介したいと思います。
山田:私は学生時代に広告を目にして感動したり心を動かされたりした経験が何度もあるので、広告ウヒョー!を通して広告の魅力を伝えていけたらと思っています。年内にチャンネル登録者1万人を目指したいです。
福里:広告批評は最後3万部を発行していたと天野さんのインタビュー記事で目にした記憶があります。広告批評を引き継ぎ、3万人を目標にするのはどうでしょうか。
伊藤:いいですね。面白い!
福里:今、広告に興味がなくても「広告って面白いかもしれない」「広告から世の中が見える気がする」と感じる方がひとりでも増えるよう、頑張りたいですね。誰に頼まれたわけでもないんですけどね。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。