広告主インタビュー 株式会社ジュピターテレコム
消費者目線でJ:COMのある生活の楽しさを描く
株式会社ジュピターテレコムは昨年11月に吉高由里子さんをイメージキャラクターに起用し、『J:COM MOBILE』『J:COM NET』などを訴求するCMを展開している。“イエナカ”をポジティブに描くCMの狙いなど、同社の広告戦略について西山暢一氏にお話をうかがった。
(収録:2021年4月15日)
(収録:2021年4月15日)
【 CM INDEX 2021年5月号に掲載された記事をご紹介します。】
インタビュイー
西山暢一氏
株式会社ジュピターテレコム ケーブル・プラットフォーム事業統括本部副本部長 兼 マーケティング部長
株式会社ジュピターテレコム ケーブル・プラットフォーム事業統括本部副本部長 兼 マーケティング部長
「リモート会議」篇(2021年3月5日オンエア開始)
桜を臨む自宅のベランダで、リモート会議をする会社員役の吉高由里子がノートパソコンの分割された画面に映る部長(おいでやす小田)が白目をむいた表情で停止していると気付いて苦笑する。そこに「♪固まる部長に教えたい J:COM NETで」といった童謡『あめふり』の替え歌を重ね、続けて『メッシュWi-Fi』や「サクサク〜」と呼びかける吉高に驚く部長などを映すというもの。『J:COM NET』を利用すれば自宅で快適にインターネットが使用できることを印象づけた。
桜を臨む自宅のベランダで、リモート会議をする会社員役の吉高由里子がノートパソコンの分割された画面に映る部長(おいでやす小田)が白目をむいた表情で停止していると気付いて苦笑する。そこに「♪固まる部長に教えたい J:COM NETで」といった童謡『あめふり』の替え歌を重ね、続けて『メッシュWi-Fi』や「サクサク〜」と呼びかける吉高に驚く部長などを映すというもの。『J:COM NET』を利用すれば自宅で快適にインターネットが使用できることを印象づけた。
限られた出稿量でもブランドの認知と存在感を醸成する広告を目指す
—昨秋にコミュニケーションを刷新し、吉高由里子さんが出演する『J:COM』のCMを展開されています
『J:COM』は多チャンネルのケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話のサービスを主軸に長く事業を展開してまいりました。これらに加え2015年にモバイル事業、翌2016年より電力事業に参入するなど、お客さまの暮らしを総合的にサポートする幅広いサービスを提供しています。昨年9月よりシェア拡大のチャンスがあるモバイルサービスに関してマーケティング戦略を全面的に見直し、最後発組ながら打ち出しの強化を図ることにしました。しかしながら競争の激しい通信業界において『J:COM MOBILE』が競合商品と同程度の出稿量でCMを展開するのはかなり難しい状況でした。また当社はシニアのお客さまを中心にご支持いただいている一方で、モバイルのターゲットは20代から40代が中心なんですね。こうした若い世代のお客さまにも商品購入時の選択肢のひとつとして当社の商品を想起いただくには、モバイルだけでなくブランド全体の認知度を高めるとともに、幅広い世代のお客さまから共感を得られるブランドになる必要性を感じました。そこで従来のJ:COMの使命を伝える広告活動を全面的に見直し、昨秋のモバイルサービスのリニューアルに合わせて、お客さまのインサイトに重きを置いた新たなコミュニケーションを展開することを決意しました。
新CMシリーズの立ち上げに当たって考えたのは、出稿量が少なくても視聴者に思わず振り向いてもらえるクリエイティブであるということ。具体的にはお客さまがスピーディーに認知し、五感で“ワクワク”や“親しみ”を感じること、かつ長期的なコミュニケーションイメージの蓄積効果が図れることを意識しました。そして新たなJ:COMキャラクターには幅広い世代の支持を集めて活躍されている吉高由里子さんを起用いたしました。
さらに多くの方にCMを印象づけJ:COMブランドの存在をアピールするには、視覚的な要素だけでなく音楽も重要です。そこで世代を問わず視聴者の耳に残り、J:COMに身近でフレンドリーな印象を持っていただけるのではと考え、誰もが幼い頃から親しんでいる童謡『あめふり』の替え歌をCMソングに採用し、フレームを強化するとともに優しく柔らかい印象を演出しました。第1弾CMでは「♪スマホのお金が浮いたから サンドバッグを買いました」といった歌に合わせて、吉高さんが自宅でサンドバッグにパンチやキックをする姿を通して、モバイルを月額980円から利用できることをお伝えしています。2作目のCMは『Netflix』を夢中で楽しむ吉高さんの喜怒哀楽を通してNetflixと専門チャンネルがセットになった『J:COM TV』のサービスを紹介する内容です。コロナ禍の影響で人々の生活環境が変わり在宅時間が増えている情勢を鑑み、CMでは自宅でイキイキと自然体で過ごす吉高さんを描くことで “イエナカ”がポジティブに受け止められるよう意識しました。
また高速インターネット回線のCMは室内を舞台にしたものが多かったのですが、今年3月にスタートしたCMでは吉高さんが桜の舞うベランダでリモート会議をする様子を描いています。通信環境としてはもちろん室内の方が適しているのですが、今回はそういった理屈よりもお客さまに心理的な開放感を感じていただくことを優先したかったんです。
新CMシリーズの立ち上げに当たって考えたのは、出稿量が少なくても視聴者に思わず振り向いてもらえるクリエイティブであるということ。具体的にはお客さまがスピーディーに認知し、五感で“ワクワク”や“親しみ”を感じること、かつ長期的なコミュニケーションイメージの蓄積効果が図れることを意識しました。そして新たなJ:COMキャラクターには幅広い世代の支持を集めて活躍されている吉高由里子さんを起用いたしました。
さらに多くの方にCMを印象づけJ:COMブランドの存在をアピールするには、視覚的な要素だけでなく音楽も重要です。そこで世代を問わず視聴者の耳に残り、J:COMに身近でフレンドリーな印象を持っていただけるのではと考え、誰もが幼い頃から親しんでいる童謡『あめふり』の替え歌をCMソングに採用し、フレームを強化するとともに優しく柔らかい印象を演出しました。第1弾CMでは「♪スマホのお金が浮いたから サンドバッグを買いました」といった歌に合わせて、吉高さんが自宅でサンドバッグにパンチやキックをする姿を通して、モバイルを月額980円から利用できることをお伝えしています。2作目のCMは『Netflix』を夢中で楽しむ吉高さんの喜怒哀楽を通してNetflixと専門チャンネルがセットになった『J:COM TV』のサービスを紹介する内容です。コロナ禍の影響で人々の生活環境が変わり在宅時間が増えている情勢を鑑み、CMでは自宅でイキイキと自然体で過ごす吉高さんを描くことで “イエナカ”がポジティブに受け止められるよう意識しました。
また高速インターネット回線のCMは室内を舞台にしたものが多かったのですが、今年3月にスタートしたCMでは吉高さんが桜の舞うベランダでリモート会議をする様子を描いています。通信環境としてはもちろん室内の方が適しているのですが、今回はそういった理屈よりもお客さまに心理的な開放感を感じていただくことを優先したかったんです。
— 話題性の高いキャストの起用、SNSの活用について
本作ではお笑い芸人のおいでやす小田さんに部長役で出演いただいています。吉高さんと小田さんが部下と上司役というありえない設定のギャップが面白いですよね。小田さんはCM初出演ということもあり出稿量が少なくても話題になるはずという期待通り、CM開始時には多数の情報番組で紹介されました。その後もTwitterでCMや小田さんに関するツイートが広く拡散するなど、予想以上に多くの視聴者から好意的な感想をいただくことができました。これまで当社の広告では、商品の内容を詳しく丁寧に伝えることに注力してきたのですが、この新フレームを通してお客さまのインサイトにつながる“遊び心”の大切さをあらためて実感しています。CM開始後は部長の格好をした小田さんの動画をTwitterで公開し、“変顔フリーズ”画像のツイートを募集する企画を実施しました。こうした一般の方々との双方向のコミュニケーションを通して、当社との心理的距離の近さを感じていただけたらうれしいですね。
— 今後の貴社のコミュニケーション活動について
一連のCMはインナーにも大変好評でした。営業スタッフからはお客さまとのコミュニケーションのハードルが下がったという声を多数聞いており、社員のモチベーション向上にも寄与できたと感じています。今後はさらに大きなスケールで視聴者に楽しさを伝え、また企業活動の活性化につながるCM作りを目指したいですね。
J:COMでは幅広い事業を展開しているため、個々のサービスをお客さまにより一層分かりやすく伝えていくことが今後のミッションです。そのためには「J:COMがお客さまの暮らしをどのように便利で豊かにするか」といったそれぞれのサービスがもたらすメリットを広告を通して真摯に伝え、信頼を積み重ねていくことが欠かせません。ひとりでも多くのお客さまにワクワク共感していただけるようユーザーのインサイトを捉えたCM作りに引き続き取り組んでいきたいと考えています。
J:COMでは幅広い事業を展開しているため、個々のサービスをお客さまにより一層分かりやすく伝えていくことが今後のミッションです。そのためには「J:COMがお客さまの暮らしをどのように便利で豊かにするか」といったそれぞれのサービスがもたらすメリットを広告を通して真摯に伝え、信頼を積み重ねていくことが欠かせません。ひとりでも多くのお客さまにワクワク共感していただけるようユーザーのインサイトを捉えたCM作りに引き続き取り組んでいきたいと考えています。
その月のCM業界の動きをデータとともに紹介する専門誌です。